7732人が本棚に入れています
本棚に追加
蘭はテレビに夢中な咲羅の横で退屈そうにしていた。
目の前に乱雑に置かれた咲羅の携帯を開き、メールをのぞき見した。
そんな蘭に咲羅は気付いた。
「なーに?何かおもしろいもんでもあった?」
真剣に携帯の画面を覗く蘭に咲羅は不思議そうに尋ねた。
ふふふと突然蘭は笑い出した。
「なに、これ~~!!」
見るとそこには智瀬から送られてきた愛のメールが映っていた。
「愛されてんじゃん。」
くすくすと笑う蘭。
「バカだよね。ほぼ毎日だよ。」
「毎日?!すごーい!」
「勘弁してほしいよ~ほんと。」
「これだけ言われたらクラっとこない?」
「きません。むしろ、からかってんじゃないかって疑うね。」
「も~~」
「智瀬ってホストやってんだよ。」
「えっ?」
蘭の顔色が変わった。
「別に、軽蔑したりはしないけどさ。ホストが何でわざわざあたしに惚れる?」
「う~ん・・・たしかに。」
「信じられないでしょ。普通。あたしみたいなのが目新しいだけだよ、きっと。たいして好きじゃなくても、愛の言葉なんていくらでも言えるんだよ、ホストは。」
蘭は智瀬からのラブメールに目を通しながら、咲羅の言葉を聞き入れていた。
最初のコメントを投稿しよう!