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直人に送られ、咲羅が家に戻ってきたのは午後11時を少しまわった時だった。
直人を傷つけてしまったという気持ちから、咲羅は重い足どりで階段を上っていた。
「遅い!!」
驚き、顔を上げた先には智瀬がいた。
「な、何で・・・?」
「何でって・・・連絡しただろ。11時って。」
「あ・・・」
咲羅は智瀬から来た昼間のメールを思い出した。
そんな咲羅の手を掴み、階段を駆け降りる。
「ちょっと、どこ行くの?」
「内緒。」
にやりと笑う智瀬にただ付いていくしかなかった。
智瀬の運転するバイクの後部座席に座り、必死で智瀬にしがみついていた。
「寒い~~。この時期にバイクなんて、どーかしてるよ!!」
「着いたらあっためてやるから。」
笑いながらそう言う智瀬の背中を咲羅は思いきり叩いた。
時刻は午後11時半。
雪が降る中智瀬はバイクを走らせた。
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