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ミナは小さい頃、そんな父親を見て心配した。
ウィルのいない所でモエに気持ちを言うと、モエは一瞬驚くが微笑む。
「そうね。でもパパは皆にお金を貰って聴いてもらうのだから、自分の最高の演奏を聴いてもらいたいんですって。だからママ達はパパが体を壊さないように気をつけてるのよ」
「じゃあコンサートをしないのは?」
「そうねえ」モエはミナの問いにゆっくりと考えながら口を開く。「ただ、パパのピアノを聴くと大勢の人が幸せになれるの。ミナは小さい頃から聴いていてそれが当たり前だろうけれど、そんな事ができる人は本当にいないのよ」
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