天使の従兄弟

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ミナは一人、イギリスにある大学校内の街路樹を歩いていた。 何百年前からある青みがかったグレーカラーの石造りの建物は、一人でいると中世にタイムスリップしたような錯覚に陥りそうになる場所だった。 季節は秋。 楓の葉が路に落ち、赤い絨毯が道の横に並んで敷かれているように美しい。 その横を歩くミナの姿は可憐だった。 華奢だがバランスのいい手足。 栗色のゆるやかな髪は背中まで流れている。
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