隕石の事情

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テレビニュース 「ここT県Y市に昨日未明に落ちた巨大隕石は火災をひき起こし未曾有の大惨事となっております。住宅密集地のこの出来事は死者・行方不明者含めますと五千人は越える模様・・。現在Y市は電気・水道等ライフラインが断ち切られ不安な夜を迎えております」 フッとテレビ画面にタモさん登場。 「巨大隕石の落下・・この奇妙な世界的な出来事は実はこんな事情があったのかもしれません・・」 どこかの事務所 「困るんだよ・・花形くん・・君ねぇ・・このY市は君にまかせてあるんですよ。それをどういうつもりですか?この一年、君はまったく仕事してないじゃないですか・・」 「小波部長・・この仕事はボクの向きではありません。変えていただけませんか」 「この業界はなり手が少ないんだな・・。」 「・・・・」 「Y市でここ一年、君の担当になってから契約0はないでしょう。これは異常なことです。前年対比100とまでは言いませんから80%は新人でもできる数字だから目標五千にしといたのに・・必要な仕事なんですよ。これは・・我々がさぼってると地上は人、人、人であふれ返ってしまうんですよ」 「ボクにはできません・・そんな五千なんて・・」 「もう年度末迫ってるんです・・どうしてくれます?」 「ボク・・もう死にたい・・」 「自殺はできませんよ・・二度とね・・」 「自殺したらこんな仕事与えられた・・死ぬよりつらい仕事を・・」 「しかたありませんね・・こんな手は使いたくないのですが・・」 「え?」 巨大隕石が急に宇宙空間に現れ落ちていく! 「え?」 「花形さん・・自殺者には死神の仕事が与えられます。それはわかってますね」 「あ。あれで五千人・・一気に?」 「死神に休息はありません。さ、花形さん、皆様をお迎えに・・契約もしっかり取ってくださいね」 「死ぬんじゃなかった・・」 タモさんふたたび 「世界中の大惨事や事件・事故はこんな奇妙な世界の事情が動いているのかもしれません」                                  【完】
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