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『……オ。…シャオ。』
微睡むシャオの耳に呼ぶ声が聞こえてきた。
「ん…、誰?な~に?」
『こっちだよ、シャオ。ほら、目を開けて…』
声に誘われるまま、目を開け辺りを見渡してみる。
「うん?ここはどこ?広場じゃない?」
周囲の様子が自分の知らない事に戸惑っていると、後ろから声が聞こえてきた。
『此処はシャオの夢の中だよ。こうでもしないとお話ができないからね。おはよう、シャオ。』
物腰の柔らかそうな紳士が、シャオの傍に立っていた。
「貴方は誰?ぼくの事、知ってるの?」
シャオは紳士を見上げ、首を傾げながら訊ねた。
『勿論、知っているとも。シャオはいつも私の傍にいてくれているからね。』
紳士は微笑みながら答え、シャオの隣に腰を下ろした。
『シャオが毎日のように私に会いに来てくれるから、私はこの姿になる事ができたんだよ。こうやってお話ができるのもシャオのお陰なんだ。』
紳士の言葉にシャオは何か閃いたような顔をして、興奮した様子で紳士の肩を掴み揺らした。
「え、じゃあじゃあ、貴方はもしかして広場のおっきな木さん?そうなの?そうなのね!?」
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