始めに

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この物語で登場する[天然痘]について 天然痘は、致死率、感染率が高い病原体で、太古より猛威をふるってきた。 その歴史は古く、最古の記録は、紀元前1350年代である。ちなみに、推測では、紀元前8000年頃にはすでに存在していたといわれている。 その後世界中で猛威をふるい、特にヨーロッパやアメリカ等でおおきな被害を及ぼした。歴史人物では、エリザベス1世、ルイ15世、日本人では伊達政宗などが発症した。 症状は、高熱、頭痛から始まり、その後、豆粒状の丘疹が頭部、顔面を中心に全身に広がり、化膿。(その発疹は例え病気に打ち勝ったとしても一生体に残り続ける場合もある。) そして、この発疹が内臓にも広がり、呼吸器官が損症を受けることがある。 この損症が原因で、肺炎や、敗血症等の様々な合併症を引き起こし、最悪の場合、死に至る。また、希にこの病原体自体に強いアレルギー反応を起こし、特に酷い症状が表れる事もある。 天然痘への唯一の対処法は「種痘」と呼ばれる予防接種である。感染した状態でも、早期に種痘を行えば、症状を非常に軽く済ますことができる。なお、化学療法を中心に、治療法も確立されている。ただし、特効薬は存在しない。 種痘を行った状態でも、天然痘に感染する場合がある。しかし、症状は比較的軽くすむ。これを仮痘という。
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