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私が初めてピアスホールを開けたのは、中学2年の秋だった。
所謂『中だるみ』と呼ばれる学年に在籍していた私は、何だか無意味に悪ぶりたくて、好きでも何でもない女子達と連み、日々学校と言う名の小さな社会に反抗していた。
ギャルとヤンキーを混ぜた様な、妙に薄い眉に、テクニックも無い侭に瞼に引いたアイラインばかりが黒々と目立つ女子と、授業中も休み時間も関係なく騒ぎ、携帯を弄りまわし、飲食をした。
悪ぶる為に必要な煙草も勿論吸ったし、酒も飲んだ。
先生に喧嘩を売ったり、時には万引きなんかもした。
しかし仲間の前では強がってマルメンを吸っていたが、実のところ、愛煙していたのはピアニッシモだったし、酒も缶のカクテルをちまちまと舐める様に飲むのが好きだった。
ビールなんて苦いだけのもの飲むなんて、馬鹿じゃないの?なんて思っていたけれど、仲間の前では、鳥肌を立てながらも美味い美味いと言って飲んでいた。
子供だったのだ。つまりは。
そんな私、前川真紀。14の秋。人生の転機が訪れる。
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