#1 Mと高宗

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回れ、右。の様に、コウに倣って女子に背を向けるも、何となく気になって、肩越しに彼女を振り返ってみた。 じっ、と私達を見つめる、小麦色の頬をした少女。 すっきりとした黒いアイラインに、綺麗にセパレートしたストレートの付け睫が可愛らしい彼女の目は、判りやすい程につり上がり、私への怒りや嫉妬があからさまに浮かんでいた。 「……そんなんじゃないのになぁ」 出来るだけ小さな声で呟いたつもりだったが、コウには聞こえていたらしい。 振り向いた横顔の、薄い唇が震えた。 「何が」 その問い掛けに私は薄く微笑ってみせてから、 「んーん」 やんわりと。否定。
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