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五日目の夜が来た
「今夜はホテルに呼び出されるとは思わなかったよ」
「もうわたしたちは共犯者だもの」
「共犯者か・・」
「でも、悲しいわ・・わたしはきっときょう、ミスしたものと思われてるわ・・」
「大臣狙ってSPが殺されたって?」
「ええ」
「ボクは知っている・・。君が狙ったのは大臣じゃなくSPの花形だったのを・・。あいつボクの秘密を握っててね・・。邪魔だったんだよ・・。いや、しかし、心臓一発!見事な腕だった・・乾杯!」
次の瞬間、男は倒れた・・。
「さよならアグルさん・・わたしの秘密知ってる人がこの世にいてはいけないの。ちょっと毒を入れただけ・・それ苦しまずに即効性のある毒だから楽に死ねるはずよ」
立ち去ろうとした女に男の手が伸びた。
「?」
「飲むわけがないよ・・君が用意したものを・・。飲むふりして捨てたのさ・・」
男の女の格闘が始まった。
「ボクはSP。いくら君が格闘もできる訓練された殺し屋でも女だもの・・」
「ちきしょう!」
「ああ、言っておくよ・・SP仲間の花形はいい奴だし、死んではいない。しっかり防弾ヂョッキ付けてたからね」
「わたしをはめたのね・・」
「悲しいよ・・君とは運命の出逢いだと思ったのに・・でもある意味・・運命の出逢いだったかな?これで念願の刑事になれるかもしれない」
「一つだけ言わせて・・わたしは01なんかじゃない・・タエ・・そう呼んで・・でも・・感謝するわ・・これでこんな暮らしとお別れできるのだもの」
「タエ・・君にプレゼントがある」
男は女に手錠をかけた。
それは五日目の夜だった
「わぁ素敵なブレスレット」
女は笑った
「君に似合うと思ってた」
男も笑った
「ありがと・・」
女は男に口づけた・・
【 劇終 】
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