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仁はゴーグルを首にさげ、腕に赤いバンダナを巻いていた。
ジロウ
「ちょうどいいや。お前のバンダナから先にもらってやる!」
今にも襲いかかろうとしたとき、仁は手を前に出した。
ジン
「ちょっと待て!お前ら、バンダナしてないのはいいとして、目を守るものくらいつけろ。当たっても責任は取らないぞ。」
ハッとした表情をしてから、司郎はポケットから水泳用のゴーグルと、青いバンダナを取り出して頭に巻いた。
ジン
「準備できたら、どっからでも来な。」
ジロウ
「うるせーんだよ!」
するとゴーグルとバンダナを付けた司郎は、顔を真っ赤にしながらプラスチックのパイプを仁に向けて振り下ろした。
仁はひょいっと避けて足を引っ掛けた。
司郎が盛大にコケた後ろから、2人同時に襲いかかってきた。
すると、小刀の木刀で2人のパイプを止めた。
ジン
「なんだ。こんな程度か。」
後ろでは司郎が起き上がり、懲りずにまた向かってきた。
仁は支えてる2人を吹き飛ばし、後ろを振り向きながら司郎の持っているパイプを弾きとばし、首の前で木刀を寸止めした。
ジン
「バンダナを置いていけとは言わない。武器を置いてさっさと帰れ。」
いつの間にか仁は、覇気を纏っていた。
ジロウ
「お、思い出した。あんた、“竜巻のジン”だな。要注意人物の本に名前が載ってた。」
そう言いながら司郎はバケツのふたと、プラスチックのパイプを地面に置いて両手を上げた。
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