『異変』

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「なんか今、タクからメール来たんだけどさ。ナハ高のやつら、うちの高校の前でたむろってお前のこと探してるってよ。」 ショウが些か心配そうな顔でタクからのメールを見せる。 タクは部活があったためか、ナハ高のやつらを見たらしい。 …5人か。 「ハヤト、行くのかよ。」 起き上がるハヤトを見て、ショウが慌てて止めようとする。 「別に。お前には関係ねえから、絶対付いて来るなよな。」 「まあ、お前がそう言うなら…行かねえけど。」 ショウは納得しきれてないような顔をしていたが、それでもハヤトの意思を尊重してくれた。 「じゃ、またな。」 ハヤトは振り返らずに部屋から出て行った。 高校の前にそいつらはいた。一昨日しめたやつもその中に居て、ハヤトと目が会うと、すぐにも怒りを現わにした。 そして、ハヤトはそいつらに囲まれると、大人しく人通りの少ない場所へ向かった。 10分ほど歩いて、港に着いた。 この時間漁師はほとんど居ない。 「こないだはよくも殴ってくれたなあ。すっげえ痛かったんだけどお。」 「お前が先に手え出したんだから、ただで済むと思うんじゃねえぞ。」
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