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最初に倒した生徒が未だ苦しみに顔を歪ませながら、ハヤトの両足をがっちりと掴んでいたのだ。
動くことができず避けられなかったハヤトは、こめかみの辺りに激しい衝撃を受けた。
目がくらみ、ハヤトは堪えずふらついた。
殴られたところに手で触れてみると、手にほのかに暖かい液体が付いた。
そのハヤトを見て、ナハ高の生徒は口角を上げた。
「残念だったなあ。あとちょっとだったのによお!」
腹部に重い衝撃を受ける。
ハヤトは屈辱と痛みに顔を歪めると、口内の血を、生徒の内の一人に吐き付けた。
「きたねえ!…っこのやろう!!」
吐き付けられた生徒は、その足でハヤトの頭を体重をのせて地面に押しつけた。
「ったく。とんだ茶番だぜ。」
ハヤトは言っていることの意味が分からず、無意識のうちにその生徒を見上げた。
一昨日ハヤトがしめた内の一人だ。
「お前んとこの父親だよ!血が繋がってないんだってなあ。良く知らねえけど、こないだ説教たれやがって、まじむかついたぜ!」
ハヤトは驚いた。そんな接点があったなんて。
「家族は大事に?はっ!笑わせるぜ!んなのどーでもいいんだよ!!」
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