『ボーイ・ミーツ・ガール』

11/13
前へ
/79ページ
次へ
アルフと少女が見え、そしてハヤトまでいた。 ハジは近くの建物からその状況を見守る。 アルフが少女に恭しく手を差し出し、少女は自分の細い手をそれに重ねた。 あの少女はいったい何者だ。 シュヴァリエであるアルフが、その少女の存在を受け入れていることは、ハジにとって謎だった。 不意にハジは驚愕した。 彼女の瞳が淡く輝いているのだ。 まるで小夜や、ディーヴァのように…。 ハジは両足と右手に力を込めると、建物を蹴り、アルフと少女が立つ場所へ切り込んだ。 アルフはその素早さで、ハジとは逆側の建物に、少女を抱え飛び立った。 「ハジ!?」 ハジの後ろで、戸惑いを隠せないハヤトの叫びが聞こえた。 ハジは突然ハヤトに向きを変えると、後頭部を叩き、失神させる。 「すみませんハヤト。しかしまだあなたには…」 ハジは、既に気を失っているハヤトに謝罪した。 彼にはまだ、全てを知る用意が出来ていない。 翼手や、シュヴァリエ。 そして妹たちの生きる道が、彼にどれほどの混乱を招くのだろうか。 ハジはハヤトを建物の横に座らせてから、アルフを仰いだ。 「アルフ。その少女は何者ですか。」 ハジは短刀直入に尋ねた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

337人が本棚に入れています
本棚に追加