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少々響は強引すぎるところがあるので、尚更だった。
「三人共いい加減にしろよ。朝飯が冷めちまうぞ。」
「三人ですか…」
三人と言われてハジは眉を寄せたが、奏と響は気にも止めずにカイの両側に座った。
ハジもため息を付きながらも、大人しくカイの向かい側に座った。
「そういえば今日は、ハヤトは来てないのですね。」
ハヤトとは、10年くらい前にカイが連れてきた身寄りのなかった子のことだ。
今年で18歳になった。
ハジがハヤトと面識を持ったのは、去年のつい最近のこと。
幾度かしか会っていない為、お互いまだ全く慣れていない。
「ああ。あいつは昨日から帰ってねえ。」
「ハヤトは、毎日生徒の人と喧嘩してるんだって。」
奏は、自分が殴られたかのように顔を歪めて話す。
「そうですか。」
それにしても本当に、自分はハヤトと面識を持って良かったのだろうか。
ハジはシュヴァリエだ。
人間のように老いていかない。
そんなハジを見てハヤトが疑問を抱くのは、分かりきっていることだ。
それなのにカイはハジに、ハヤトと会ってほしいと言ったのだ。
そのときにも説明してもらったのだが…
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