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それにしても体格の差があるこの二人で、4つ離れているジャックに負けるのは、ハヤトにとってとても屈辱だろう。
「ま、まあ二人とも座れよ。」
カイがお弁当の広げてあるシートを指し示すと、ジャックはにこりと笑う。
「はい。お言葉に甘えさせてもらいます。」
ハジは席を譲りながらハヤトのほうを見る。
髪は完全に茶髪で、耳にピアスを付けているのも見えた。
そして、今の今まで喧嘩をしていただろう生々しい傷が顔に出来ていた。
何より無愛想な顔。
カイよりたちが悪いかもしれない。
それにしても、よくここまで大人しく来たものだ。
「それにしても皆さんなぜここへ?」
ジャックは、カイからウーロン茶を受け取りながら尋ねる。
「ああ。今年は小夜が眠りについて15年なんだ。特に意味はないが…まあ無事に眠りから覚めることを願って、朝からお祭りでもしようと思ってな。」
そうなのだ。
そしてハジもカイに呼ばれていた為に、ここへ来た。
「なるほど。では私もご一緒しても構いませんか?」
ジャックは微笑んだ。
ジャックの瞳の色や容姿は、デヴィッド譲りだった。
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