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「なあ、母さん。」
家に帰る車の中、母さんは鼻歌まじりで運転している。
「編入試験っていつだ?」「あら、言ってなかったかしら?明後日よ。」
マジかよ。
こんなことなら母さんに任せなきゃよかったな。
「そういう事は早く言ってくれよ。」
俺は今年の二月に前の学校を休学し、入院するためこの町『桜坂町』に来た。
母さんと父さんは、俺と一緒にいるため、わざわざここに引っ越してきたわけだ。
「でも優斗、病室で勉強してたから大丈夫でしょ?」
まったく呑気な母親だ。
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