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『…なんないよ。平気』
慌てたように急いで答えた和也の目。潤んで見えたのは夕日のせい…?
家につくと、いつもの和也。
『今日、何食べる?』
「何でもいいよ?」
『じゃぁ…オムライス』
「ぅん」
『決定♪』
はしゃいで、いつものようにキッチンへいった。
ガチャッ
『どうしたの?』
「…ホントに息詰まりそうになんない?」
『なんないょ^^』
「そっか」
だって、考えた事なかった。3人になった帰り道。俺たちの喧嘩で険悪ムードにして、和也が息詰まりそうになってるかなんて。
でも和也が平気って言うのに、そっかしか言えないじゃん…
俺、バカだな。言葉見つかんない。
『仁、ご飯できたょ?』
「分かった」
「『いただきます』」
二人でご飯を食べるけど。やっぱり帰り道が気になって和也に聞いた。
「和也」
『ん?』
「俺たちに気使ってない?」
『…何で?』
「気まずくて息詰まりそうなのに、平気って言ってない?」
『仁、しつこい』
いつもと同じ。アヒルさん口をして言う和也。でも今日は可愛くしても駄目。和也が気になるから…
「アヒルさん口しても駄目!ちゃんと答えろよ?」
『…』
「言ってくんねぇと…俺、和也が分かんなくなる。全部ちゃんと言うつったじゃん?」
“分からなくて不安になったら、聞いて?ちゃんと伝えるから”
“怖がんなくていいよ?ちゃんと愛してるから”
俺の言葉信じてないの?それとも、忘れたの?
「和也…1年前、俺が言った言葉覚えてる?」
和也が無言だから、俺が続けた。
「分からなくて不安になったら、聞いて?ちゃんと伝えるから。
怖がんなくていいよ?ちゃんと愛してるから」
「忘れたの?それとも…信じてないの?」
『忘れてない…信じてるよ?あの言葉は、くすぐったかったけど。すごくすごく嬉しかったから。』
「じゃぁ何で、平気って言うの?…平気じゃねぇんだろ?」
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