変わらずに。

10/168
前へ
/168ページ
次へ
『…なんないよ。平気』 慌てたように急いで答えた和也の目。潤んで見えたのは夕日のせい…? 家につくと、いつもの和也。 『今日、何食べる?』 「何でもいいよ?」 『じゃぁ…オムライス』 「ぅん」 『決定♪』 はしゃいで、いつものようにキッチンへいった。 ガチャッ 『どうしたの?』 「…ホントに息詰まりそうになんない?」 『なんないょ^^』 「そっか」 だって、考えた事なかった。3人になった帰り道。俺たちの喧嘩で険悪ムードにして、和也が息詰まりそうになってるかなんて。 でも和也が平気って言うのに、そっかしか言えないじゃん… 俺、バカだな。言葉見つかんない。 『仁、ご飯できたょ?』 「分かった」 「『いただきます』」 二人でご飯を食べるけど。やっぱり帰り道が気になって和也に聞いた。 「和也」 『ん?』 「俺たちに気使ってない?」 『…何で?』 「気まずくて息詰まりそうなのに、平気って言ってない?」 『仁、しつこい』 いつもと同じ。アヒルさん口をして言う和也。でも今日は可愛くしても駄目。和也が気になるから… 「アヒルさん口しても駄目!ちゃんと答えろよ?」 『…』 「言ってくんねぇと…俺、和也が分かんなくなる。全部ちゃんと言うつったじゃん?」 “分からなくて不安になったら、聞いて?ちゃんと伝えるから” “怖がんなくていいよ?ちゃんと愛してるから” 俺の言葉信じてないの?それとも、忘れたの? 「和也…1年前、俺が言った言葉覚えてる?」 和也が無言だから、俺が続けた。 「分からなくて不安になったら、聞いて?ちゃんと伝えるから。 怖がんなくていいよ?ちゃんと愛してるから」 「忘れたの?それとも…信じてないの?」 『忘れてない…信じてるよ?あの言葉は、くすぐったかったけど。すごくすごく嬉しかったから。』 「じゃぁ何で、平気って言うの?…平気じゃねぇんだろ?」
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

543人が本棚に入れています
本棚に追加