エピソード2

5/10
前へ
/20ページ
次へ
しかし侵入と言っても、こんな暗い夜間に正面玄関なんて開いているハズがない。 とりあえず正面玄関に辿り着き、止まった。 確率で言えば、開いてないに決まっている。 500ペソ出してもいいくらいだろう。 まぁ、そんなことはどうでもいい。 ドアを開こうとした、が、やはり開いていない。 「まぁ、漫画じゃないんだからな…(でも今いる世界は漫画の世界だけどな…)」 1人ツッコミをして振り返った。 すると──。 「こんばんは」 気配もなくいきなり声をかけられた。 思わずそれに身体がビクッとした。 振り返り前を見る。 俺の前に男の人がいる。 それは、クリーム色のスーツにタバコ、クリーム色の髪を立てている。 身体も大きく、そしてこの口調。 俺の思考と記憶が一致した。 俺はこの人を知っている。 「こんなところで何をしてたんだい?」 「あ、いえ…、あのですね…、学園長に用事があって来たんですが…」 その男に慌てながら言った。 ハタからみたら確かに怪しいが、言葉に嘘はついていない。 だがしかし、この男の出会いは嬉しい誤算だった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加