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しかし侵入と言っても、こんな暗い夜間に正面玄関なんて開いているハズがない。
とりあえず正面玄関に辿り着き、止まった。
確率で言えば、開いてないに決まっている。
500ペソ出してもいいくらいだろう。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
ドアを開こうとした、が、やはり開いていない。
「まぁ、漫画じゃないんだからな…(でも今いる世界は漫画の世界だけどな…)」
1人ツッコミをして振り返った。
すると──。
「こんばんは」
気配もなくいきなり声をかけられた。
思わずそれに身体がビクッとした。
振り返り前を見る。
俺の前に男の人がいる。
それは、クリーム色のスーツにタバコ、クリーム色の髪を立てている。
身体も大きく、そしてこの口調。
俺の思考と記憶が一致した。
俺はこの人を知っている。
「こんなところで何をしてたんだい?」
「あ、いえ…、あのですね…、学園長に用事があって来たんですが…」
その男に慌てながら言った。
ハタからみたら確かに怪しいが、言葉に嘘はついていない。
だがしかし、この男の出会いは嬉しい誤算だった。
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