人気者になりたくて。

2/6
前へ
/377ページ
次へ
X、解散。 もちろん解散ライブにも行けない。 残念な気持ちでいっぱいだ。 俺もバンドがしてぇな~。 いつの間にかそんな気持ちが強くなっていた。 でも俺のクラシックギターで何ができるん? 悪あがき。 悪ふざけ。 そんな風に人から見られるだろう。 気持ちだけ強くなった。 そんなときヒロから一本の電話があった。 『もしもし、何してる?』 俺は『特に何もしてないよ。』 ヒロは『今から会える?ちょっと話したい事があるんだけど。』 俺は『おう、いいよ。』 時刻は夕方6時30分。 ヒロがうちに来ることになった。 話?なんだろう・・・・・? 20分後。 ヒロが到着。 部屋に招き、さっそく俺は気になってた事を聞く。 『いきなりなんだけど、話ってなんだよ?』 ヒロはもったいぶらせる感じで『まあまあ、そんな慌てるなって。実はたいした話じゃないかも。』 なんだよ。それ。 心でそんなことを思った。 ヒロは部屋を見渡しながら『あっギター弾いてる?』 俺は『おう。壁だよ。壁。なかなか上達しね~よ。』 ヒロは『そっかぁ。まあいきなりはうまくならないよ。継続は力なり。』 今日のヒロは何が言いたいんだ。 しばらく黙ったままになった。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

652人が本棚に入れています
本棚に追加