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リィンは苦もなく盗賊三人を倒すと剣を鞘に納めた。
「……へっ…………へへへっ…………」
辛うじて息のある盗賊の一人が倒れたまま不気味に笑い出した。
「死ぬのがそんなに可笑しいの?」
「やはり……あの女の言うことは……正しかった…………」
息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。
あの女とは魔族クローレの事だろうか……
「もうじきお頭が遠征中の団員五百人を引き連れて戻って来る…………渓谷の袋小路にあるこのアジトからじゃ、逃げ道はないぜ…………」
「!!」
それが本当なら早くアジトから離れなければ正に袋の鼠、ディザスターがいるとは言えたった二人で五百人を相手に戦わなければならない。
その上、盗賊団長ジャミル・ペインと言えばとある異名で呼ばれている。
「へへっ…………『千人殺しのジャミル』にかかればてめぇらなんざぁあああ!!!!」
リィンはこれ以上無駄話は必要ないと思い、盗賊の傷口を踏みつけて会話を無理やり終わらせた。
「こんな事してる場合じゃないわね。急がなきゃ!!」
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