邪教

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「いや、持久戦じゃ勝ち目はない。リィン、あんたは崖を登ってくれ」 「私に的になれっての?」 リィンの反応はもっともだ。 崖を登るには危険すぎる。 「心配するな。ちゃんと足止めしてやる」 ディザスターは剣を担いで微笑を浮かべる。 そして盗賊達を見据えてリィンに言葉を続ける。 「崖を登ったら真っ直ぐ北に向かうんだ。例の邪教集団が本拠地にしている神殿がある」 相変わらずいつの間にか調べたのか目的地を指示してきた。 「歩けば丸一日の距離だ。時間がない」 アジトでの探索に予想外に時間を食ってしまった。 リィン一人でセシリアを助けるとなれば相当時間を必要とするだろう。 「でも足止めって言ったって、あんたはどうするのよ?」 一対五百で挑む事になる。 不利な状況をより不利にしようと言う。 「心配するな。問題ない。振り返らずに真っ直ぐ神殿を目指せ」 ディザスターは前を見据えたまま言った。
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