邪教

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懸命に崖を登るリィンの背後からは怒号と爆音が聞こえてくる。 戦闘は既に始まっているようだ。 こうなってはぐずぐずしてはいられない。 リィンは振り返らずに崖を登り続けた。 矢が飛んで来ないと言う事はディザスターが上手く足止めしてくれているのだろう。 登り続けて数十分、ようやく崖を登りきり、戦闘の様子を見てみる。 戦い続けるディザスターの強さは正に驚異的だった。 稲妻が大地を這い、一撃で多くの敵を葬る。 自らも稲妻のように素早く動き、その手に持ったブロードソードが落雷のように振り下ろされる。 災厄の名に相応しい戦いぶりだ。 「これが魔導器『カタリスト』の力…………」 雷を操る剣。 更にディザスターは剣技においても達人の域に達しているだろう。
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