今すぐ君の元に(アレティエ3話派生話)

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    『くそっ…!すぐそこに、目の前にマリーがいるのにっ!!』     助けにきた刹那にもらった端末機を頼りに、アリオスの指定ポイントに来ると、僕を追ってきたのだろう、マリーと遭遇した。   マリーに銃を向けられても、僕は…僕はマリーに思い出して欲しかった。   僕との過去を、思い出を、本当の自分自身を。   本当の君はそうじゃない。   銃なんか似合わないんだ。   君はここに居ちゃいけない。   だから精一杯伝えたんだ。   だけど…後から来た追っ手に邪魔をされてしまった。       『刹那!!!アレルヤ!!!もう限界時間だ!!!』       ふいに、右手に持った端末機から凛、とした声が聞こえた。       (…っ!!?ティエリア!!!)       間違いない、間違えるはずがない、ティエリアの声だった。       ずっと聞きたいと思っていたあの子の声だった。       (…くっ…しかしっ…!!!)       目の前にはずっと捜してしたあの子が、マリーがいる。     こんなに近く、手の届く距離にいるのに、彼女を置いていく?     (そんなっ…そんな事は…しかしっ…)      緊迫した状況、ここで僕が決断しなければ、まず間違いなくソレスタルビーイングの戦況は刻一刻と悪化するだろう。       僕を救う為に今もなお戦っているあの子の戦況もまた、悪化させてしまう。     苦しめてしまう。     逡巡する思考、交錯する思い     どちらを取るべきか      でも、その迷いを断ち切ってくれたのは、やっぱり君だった。       『アレルヤ!?どうした!?アレルヤ!!アレルヤ!!』       端末機の青白い液晶画面から必死に聞こえる、君の僕を呼ぶ声。       そんなに必死に、僕の名を呼ぶ君の声を、僕はそれまで聞いた事がなかったよ。      視線を左に泳がせばマリーがいる       そして右に泳がせば、白と橙を基調とした、キュリオスを思わせる、僕のガンダム、アリオスがある。       瞳を強め、覚悟を決めた。       端末機を唇に寄せ、どうか君にこの声が強く届くように       『…了解!!!』       君の切なる声に僕の迷いは吹き飛んだんだ。       青白く光る液晶画面の向こう、君が小さく息を飲んだ気がした。  
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