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「協力…どうして君達は何十人といながら誰一人事件を解決出来ないんだ?
何十人で捜査本部を構えていながら、何をしているんだい?」
こう言われては返す言葉も無いのだろう。
小柴は一旦口を閉じたが、私の事を今思い出したとでも言わんばかりに、
「島橋、何とか説得してくれよ」
と、懇願してきた。やれやれと思いつつ、読書を止めて頑固な実験屋を説得することにした。
説得の場面なんて見苦しいだけなので、カットして自分と、他の二人の紹介をしよう。
私の名前は島橋 尚樹(しまはし なおき)。二人とは同級だが、数年前までは赤の他人だった。
最初に知り合ったのは朝長で、たしか和弓を引いた後にある話で意気投合したのが始まりだった。
小柴と知り合ったのは、朝長と知り合った数年後。私は朝長の家によく通っていた。
そこにいきなり現れたのが小柴だ。
なんとも刑事らしくない刑事で、私が朝長の友人であると理解すると、公務上の秘密も放り捨てる。
その時は、当時騒がれた事件の概要を、捜査状況も挿入しながら詳細に話して、朝長に意見を求めていた。
私は、自然に存在するエネルギーを電気エネルギーに変換するある装置の重要な部品を開発したので、莫大な財産を得た。
それは、島橋高性能転換チップ『SHECT(シークト)』だ。
エネルギー研究で国が懸賞金を出したので、私は若い頭をフルに回転させて作り上げた。
エネルギーを効率よく他のエネルギーに転換するチップ。
見事に一山当てた。だが、その後のマスコミやらが騒がしい事この上ない。
当時山帝大学で物理工学部の准教授をしていたが、それで実験に集中出来なくなった。
だから、今は退職して一人慎ましく生きている次第だ。生活には全く困っていない。
朝長は、親の遺産が相当あり、外国やらでいろいろ警察に手を貸したので、その謝礼金が生活費の殆どだという。
従って、この3人の中での一番の苦労人は、小柴である。
小柴は、親の助けを極力借りずに努力に努力を重ねて今の職についている。
「…だから、助けてやろうぜ」
「まったく、タイミングが悪すぎる」
ヒマ人にタイミングも糞もあるかと思ったが、口には出さない事にした。
「頼む!捜査本部はお手上げ状態なんだ」
「脳味噌が入って無い奴ばっかりなのか?事件の概要を話したまえ」
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