【00】2000年12月31日

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2000年12月31日 23:57… 23:58… 23:59… 2000年が終わったらしい 歓喜の声なのか 酔っ払った叫び声か わからないけど、2階から 「キャーッ!」と騒ぐ声が聞こえて ビックリして目を覚ましたからだ。 多分2階に住んでいる "ナカザワ アイ"の声だろう。 ナカザワ アイの声は分かりやすい 良く分かるんだ、何度も聞いたから 知ってるんだ。 アレの時の声だって 電話で彼氏に甘える時の声だって 良く知ってるんだ。 ただ 顔は見たことはないから知らない。 知らないけど きっとブサイクなハズだ。 だって "軽自動車なんてイヤ そんなの乗りたくない" と、誰かと喧嘩している声が 聞こえたんだから。 大体 ハイレベルな車を求める女に限って 見た目は低レベルなクズが多い もちろん何の根拠もないけど きっとそうだろう そうであって欲しい 2000年という年は "ミレニアム"という言葉が流行った。 17歳少年がバスジャックし人々を 恐怖に陥れた、少年法が改正され 小渕首相が入院し森内閣が誕生 Qちゃんが国民栄誉賞を受賞し 元AV女優の小説がヒットし ビートルズの『1』が発売された そして 僕は22歳だった。 21世紀になり何かが変わる 誰もがそう思ったはずだ。 これから話す出来事は 酒と女の子と音楽についてだ。 恋愛や愛について知りたいなら 今すぐ読むのを止めた方がいい 偽物の希望の僕の青春の話 最低だからこそ最高だったんだ
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