世にも不思議な世界・Ⅲ

第４１話：アパートにて

今現在私が住んでいるマンションはそれほどでもないが、これの前（今から３年前）に友人Ｒと住んでいたアパートは特に最悪だった。

何が“最悪”か。理由をあえて言わなくても、これを読んでいる方はお察しのことと思う。

……そう。“お呼びでない方々が次々といらっしゃる”。そんなとんでもない物件だったのだ。

「ただいま～」

当時ホストをしていたＲは、この日も酒の余韻を漂わせながら朝方に帰宅。私はこの頃昼間の職に就いていたため、寝ぼけまなこで歯磨きをしていた。

「おあえひ（おかえり）」

歯磨粉の泡をこれでもかくらい泡立てつつ、友人を爽やかな笑顔で迎え入れるついでに、

「あ、ほうも（あ、どうも）」

Ｒの後ろに寄り添うようについてきた女性に軽く会釈した。