第42話:子守

3/8
6033人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
自然に泣き止むなんて絶対にない。オムツ交換、ミルク、それに加えてあやしたりしなければご機嫌にならないから。 「Dー?」 珍しいこともあるもんだ。俺はDの寝ているベビーベッドへと近づいていった。 「オムツ変えるぞー」 「あー」 俺の言葉にこたえるように、Dは足をバタバタさせる。真ん丸くりっとした瞳は黒目がちで、とてつもなく可愛い。男の子に可愛いだなんて言っていいのか分かんないけど。 「よしよし、すぐ終わるか……ら……」 オムツを取ったが、全く汚れていなかった。 ぐずってただけかと思い何気なく部屋を見回すと、俺の目に飛び込んできたのは、ごみ箱に入ったオムツ。しかも、使用後の。 Mも俺も、使用後のオムツはそのままごみ箱には捨てない。ビニール袋に入れて、キッチンにある蓋つきのごみ箱に入れるのに。 「泣き止んだみたいね。ありがと」 手を拭きながら寝室に入ってきたMに、そのことを告げる。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!