第42話:子守

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  「あれ?Mがあげてくれたのかな」 単純にそう思った。 ……だが、そうではなかった。 Mはずっと寝ていたという。しかし、Dの横には空の哺乳瓶が。 何なんだ? 誰かがやってるのか? でも、一体誰が……? 俺の頭は疑問だらけだった。 オムツ、ミルクに続き、その後も不思議なことが色々あった。 D以外誰もいない部屋で笑い声がしたり、子供と思われる足音がしたり。Dが誰もいないはずの方向を見て楽しそうに笑っていたこともあった。その度にMと『不思議なことがあるものだ』と顔を見合わせたが、ある日、前触れもなく“誰か”が姿を現した。それはMが買い物に行くので俺がDと留守番をした休日のことだった。 いつものようにDをあやしていると、たたたたたっと、玄関から誰かが走ってくるような音がした。 (またか) この頃では当たり前となった足音に反応しながらも、特に気にはしていなかった。
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