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「…………」
今のはなかったことにしよう。そう思い、蓋をした。
だって、有り得ないじゃないか。筆箱の中に入れた覚えのないものが入ってたんだから。しかも、ご丁寧に動いていた。
「今のって……?」
もう一度開けてみる。今現在の俺にはない度胸がこの時の俺には備わっていたんだ。
「う……」
ずっと暗い所にいたからだろうか。光が眩しいのか、ソイツは目を細めてみせた。
「うわあああ!」
気のせいだと思ったが、どうやら違うらしい。奴は俺と目が合うと、明らかに威嚇してきた。
「何……!?何で……!?」
俺は目を離せないまま、ソレから一刻も早く離れたくて、手探りで退いた。腰が抜けてたのは言うまでもなく。
筋肉質な身体から、草原を颯爽と走る姿が浮かぶ。たてがみは風になびき、心地よい風を感じるんだろう……。
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