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――怖い?
――それとも、単に驚いただけ?
いや、そんな悠長なことを考えてる場合じゃないぞ。今すぐ逃げなくちゃ。
……でも、立ち上がれない。腰が抜けるって、こういう感じなんだろう。焦りに焦った俺はどうすればいいかも分からずに、半泣き状態だった。
だって、有り得ないだろう?
筆箱の中に、馬が入ってたなんて。
小さな小さな馬。ねりけしよりも、その辺に転がっている石っころよりも。
「ブルルルルルッ!」
馬は一度後ろ脚で立って顔を震わせると、鼻を鳴らした後に池の中に駆けていった。水面は波紋が広がることなく、何事もなかったかのように静かに光を反射していた。
どうして馬が入っていたのか。しかも、小さな馬。彼の見たものとかつて私の祖母が見たものは同じだと思われる。はたして、馬は何者なのだろうか……。妖精?未確認生物?
小さな馬を見たという方は、是非ご一報を。
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