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身震いをして起きたのは、夜中の2時頃。
「いつつつ……。飲み過ぎたかな……」
イビキをかいて気持ち良く寝ているCを起こさないように、痛む頭を抱えてそっと起き上がる。
決して寒いわけではないのに、鳥肌が立ったままだった。それに加え、全身を粘着質な視線が覆う。私たち2人以外はいないのに。嫌な予感がする。
用を足している最中も、誰かに見られているような気がして何度も振り返ったが、誰もいなかった。
部屋に戻ろうと、用心をしながらそっとトイレのドアを開けた。
「!」
予想はしていたが、それが事実だったと分かった時、私は竦み上がってしまった。
「あ……あああ……!」
Cを呼びたいのに、恐怖で満足に声が出ない。
ソレの向こう側に寝ているCを起こすには、ソレに近づかなければならない。
無理だ、できない。
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