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席に着こうとすると、
高宮くんと目が合った。
「俺は高宮海斗。海斗でいいよ。
よろしくね」
笑顔で挨拶をしてきてくれた。
なんだろ?
なんだか妙に心が騒つく。
『よろしくね、海斗。
私のことも由奈でいいよ。
ねぇ、海斗。
昨日、桜並木の通りで
見かけたのって、
海斗だよね?』
私は心の騒つきを隠しながら
昨日の事を聞いてみた。
「うん、会ったね。
教室に入ってきたときに
すぐ気が付いたよ。
でもまさか
うちのクラスの転校生だとは、
思ってなかったけどね」
やっぱ、そうだったんだ。
でも何なんだろ。この騒つき。
『やっぱり海斗だったんだ。
なんか偶然って重なるね。
たまたまあの桜の並木道で、
見かけた人が同じクラスの
隣の席の人なんだもん』
と、言い終わった時に
チャイムがなって授業が始まった。
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