始まり

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俺の父は、 高宮カンパニーの元社長。 元と言うのは、 俺が小6の終わりに 家族3人で出掛けた時、 その出先で不運の事故に遭い 俺を残して両親は他界した。 葬儀の時、 俺は泣けなかった。 両親はとても優しくて大好きで 尊敬していたのだったが 泣かなかった。 この時の俺は、 ある決意を心に秘めたんだ。 両親は俺の事を 高宮カンパニーの 跡取りとしてではなく、 ごく一般的の息子として 自由に育ててくれた。 だが俺は、 両親に親孝行と言うものは 何もしていなかった。 何も出来ないうちに 両親はいなくなってしまった。 決意と言うのは、 両親が大きくして守ってきた 高宮カンパニーを 自分の力で守る事が、 今まで出来なかった 両親への最大の親孝行だと 幼いながら思ったのだ。
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