恐怖心

4/8
前へ
/105ページ
次へ
「なんで俺に隠してたわけ?」 「なんとなく…言いにくくて…」 「まさか俺から逃げるつもりだったわけじゃないよな?」 歪んだ笑いで私を見ている 「逃げるつもりなんかないよ。 でも埼玉じゃ今までみたく会えないし…新聞に載ったから忙しくて休みもなかなかもらえなくて」 どうして私が言い訳しなければならないんだろう あんたと別れたいから埼玉に逃げてきたんだ!って叫べばいいのに。 「高橋から電話がきてさ、お前が新聞に出てるって教えてくれたんだよ」 あのお喋り男… わざわざ拓哉に電話するなんて 「お前もさ~逃げようなんて考えない方がいいからな。 もしそんな事したらこの新聞お前の実家に送りつけるぞ」 うちの実家の住所なんて教えてないのに… 「部屋に親から送ってきたダンボールあっただろ? 伝票見たんだよ。 電話番号も全部控えてあるからな」 だめだ… この男から逃げられない… 私は絶望的な気持ちになった
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

323人が本棚に入れています
本棚に追加