恐怖心

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「拓哉、そろそろ時間だから帰ってもらわないと…」 「延長できないのかよ」 「新聞に載ってから本当に予約たくさんで…次も指名が入ってるの」 「ふーん…じゃあ仕事終わったら飯食いに行こうぜ」 行きたくないと言えなかった 断れば何をされるかとビクビクしてる自分がいる。 「じゃあ終わったら電話するから」 なんとか拓哉を帰してホッとした反面これからどうなるんだろうと不安になる 客との話しもその日は全く耳に入らなかった 真樹…そういえばずっと会ってない どうしてるのかな 真樹に相談してみよう。 いろんな女の子を見てきてるから何かいい方法を教えてくれるかもしれない。 拓哉には話してないが明日は休みだ 拓哉とご飯を食べたらお金を渡して早く帰ってもらおう。 それから真樹の所へ向かえばいい 憂鬱だった。 ずっとこれから先、拓哉にお金をせびられるだろう 警察に相談しようか… でも暴力をふるわれたわけじゃないし… その日は最後のお客さんが帰るまでずっと同じ事ばかり考えていた。
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