恐怖心

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仕事が終わり拓哉に電話すると店の近くの駐車場にいるという 会いたくないが行かないと何をされるかわからない 行って車に乗り込み私はすぐに「明日女の子がいなくて早番になったの。朝早いから帰ってすぐ寝ないと仕事にならないから…悪いんだけどこれでご飯食べて」と拓哉に3万渡した 「携帯そろそろ止まるんだけど…なんとかしてくんないかな」 明らかにタカリみたいなもんだった 今日は真樹の店に行くつもりだった 現金がないと困る… 「携帯代、明日じゃダメかな。今日寮費も払ってお金あんまりないの…明日働いたら明後日振り込みするから」 「本当に振り込みしてくれるのかよ」 「言った事はきちんと守るよ。 とにかく今日はもう疲れてるし明日早いから食事はまた今度にしよう」 仕事だと言われると拓哉も強く言えないみたいだ 「じゃあ携帯代ちゃんと頼むぞ」と帰って行った。 よかった… 正直こんなにあっさり引き下がると思わなかったから。 私はタクシーに乗り込み歌舞伎町へ向かった。 早く真樹に会いたい。 そんな真樹にも異変が起きていた ちょっと来ないうちに金持ちの娘が客になっていて、真樹の売上はこの2ヶ月ダントツだと聞いた でも金持ちの娘の割りに飲み方のマナーも悪いし使う金額も半端じゃない。 正直お嬢様には見えない でも売上を上げる為に真樹はその子に付きっきりで、私の席にはほとんどいない。 これじゃあ悩み相談なんて無理だな お会計をして店を出た。 わざわざ新宿まできたのに… なんか私の事を大事にしてくれない真樹がすごく嫌だった 寂しかった 拓哉に吸いとられるぐらいならホストで使う方がマシだから。 でも真樹はしばらくあの客を優先するだろう。 もっといいホスト探さなくちゃ… 何故か私も意地になっていたのかもしれない。
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