恐怖心

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二時間ちょっと過ぎてやっと真樹から電話がきた 「遅くなってごめん!しつこくてなかなか帰してもらえなくて、今どこ?」 「前に待ち合わせした喫茶店わかる? そこにいるんだけど」 「じゃあいつものバーで待ち合わせしよう」 私は急いで待ち合わせ場所に向かった 真樹の方が先に着いていた かなり酔ってるみたいで辛そうに見える 「真樹ごめんね…私のせいで遅くなっちゃうね」 「気にするな、それよりも何かあったのか?」 私は拓哉が店に来た話しや親に仕事をばらすと言われた事を話した。 「脅しか…最悪だな…でもいちいち反応してビクビクしてたら相手も図に乗るからな。 千恵も毅然とした態度をした方がいいと思う」 「親にばらされたらどうしよう…」 うちの両親はとても厳しい 風俗で働いてるなんて知られたら… 「辛いだろうけど少し相手の出方を見た方がよくないか?」 「うん…でもお金をせびられるの…」 「金かぁ…ムカつくけど少し渡して怒らせないようにしたらどうだ? あとなるべくその男の前では感情を出さないようにして無関心を装え」 「どうして?」 「人間ってシカトされるのが一番きついんだよな… 怒ったり泣いたりされるよりも無関心になられると不安になるから」 確かにそうかもしれないな… 相手にされないのが一番屈辱かもしれない。 「何かあったらいつでも連絡しろよ」 真樹が私の肩を抱きながら言ってくれた 心地よい 真樹のキスや抱擁は本当に心地よかった
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