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・暗闇
目を覚ます花形・・。
そこは広い和室。花形はその隅の布団にいる・・。
「ここはどこだ・・?」
「お、気づかれましたね・・よかった・・」
「工藤・・ここは?」
「隊長は3日も寝てたんですよ・・心配しました」
「3日も・・?で・・ここは・・?」
「驚かないでください・・と言っても無理でしょうが・・」
小高隊員が水を持ってくるとともに答える。
「ここは坂本城。天正十年だそうです」
「なに?なにを言ってるんだ?」
「坂本城・・明智光秀の居城です」
『冗談を言ってる目ではなさそうだ・・。天正十年・・(本能寺の変)があった年じゃないか!』
『いったいなにがどうなってる?なんで戦国時代に・・それも明智の城に?ボクらは「戦国自衛隊」だってか・・?あのゴジラの放射能とこっちの光線の交差が時空間をねじ開けたのか?歴史はボクたちになにをさせようとしているのか・・美里・・えらい遠いとこ来ちまったよ・・』
『隊員らの話によると富山湾でゴジラとの対決の光線交錯した次の瞬間に我々はこの時代にまで飛ばされ・・そして坂本城の近くに忽然と現れたのだと言う・・。ボクはその時の衝撃で気絶していたらしい・・。隊長として情けない・・。目が覚めたその日一日は寝て過ごし、翌日ボクは明智光秀と対面する事となった』
「その方が自衛隊とやらの隊長か?」
「はっ」
『ボクは時代劇対応のセリフまわしになってしまった。光秀は今までどれだけの人を殺してきたかわからない戦国武将には見えない穏やかさがその体に溢れていた・・』
「突然に表れた我らに対しての厚き対応感謝いたしております」
「人はこまった時はあいみたがいじゃ。それより体はもういいのか?」
「お陰様を持ちまして・・」
「して、420年も向こうから来たと言うのは誠かの?」
「誠にござりまする」
「不思議なこともあるものじゃの・・」
「まぁ、ゆるりとなされよ。わしらは毛利攻めに行かねばならぬゆえ留守をするが」
「毛利攻め?」
「そうじゃ、筑前殿の後方援護に向う。殿も来られる。織田家の最強軍団で攻めればもうなにも怖いことはない」
「明智殿!」
「なんじゃ?」
「それは本心でござるか?」
「無論じゃが・・」
『どうやら我らが時を越えて来たワケが見えた・・!』
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