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「それがもし本心であれば、歴史が狂いまする」
「なに?」
「世に『本能寺の変』という日本史の上で大きく取り上げらる事件がありまする」
「本能寺?・・殿がおるが・・待て・・・待て待て待て!・・わしがこのわしが、その『本能寺の変』を起こすと申すのか?なんのために?なにゆえに?」
「それは・・歴史の謎となっておりまする」
「ははははははははは・・わしが殿を討つ?謀反ではないか?わしは浪々の身を殿にひろうてもろうて今があるのじゃぞ。恩こそありて・・なにゆえ殺さねばならぬ・・。なにゆえ・・。わるい冗談ぞ。花形殿」
「戯言ではござりませぬ!日向殿!日向殿が信長公を討たねば歴史が狂いまする」
「と・・言われても・・420年後・・わしはどうじゃ?裏切り者として名を残すのではないか?
うん・・待て・・わしは天下人となるのか?いや、そんな器などないことはわかっておる・・。わしには天下など取れぬ・・。どうじゃ!そうであろう!花形殿・・いや言うな・・言うでない。天下・・そんなもの取れんでよい・・。信長を討つ・・わしの心の中のどこかにある・・。確かにあるわ・・」
「それは日向殿が戦国武将だからでございましょう」
「わしがその『本能寺の変』を起こしたと言うなら起こそうではないか」
「ははっ!」
『時は今、雨がしたしる 五月かな』
【続く】
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