〓お子様ランチ〓📝

今一番気になる人

今日バイトに、すっごい美人さんが来た。なんかモデルさんみたいな顔してた。彼女が来たのはちょうど昼時で、入口付近の待合いイスはいつものように足りなくなって、立って待っている人もたくさんいた。彼女はそんな中、実に涼しい顔で本を読んで待っていた。すごく知的な雰囲気がして素敵だった。

ホールと厨房を行き来する途中、窓側のテーブルが空いたので、僕は次のお客様を案内しに行った。

「えっと次は…」

順番待ちのリストの一番上には『小戸』という名前が記されていた。僕は一瞬「なんて読むんだろう」と戸惑ったが、なんとご丁寧にも、消え入りそうな握力でうっすらと小さく『おこ』とフリガナがふってあった。きっとよく読み間違えられたりするんだろな～なんて心の中で思いつつ、僕は大きな声でハッキリと 「小戸様～小戸様～」と呼んだ。 呼んだのとほぼ同時に、その言葉の妙にしっくりとくる響きと、客達のざわめきを察知し「ブッｗ」と吹いてしまった。

客たちも
「今なんつった？」
「お子様ｗ」「えっ？名前なのかね？」「まさか冗談でしょー」とか口々に言い始め、ちょっとヤバいかな～と思い始めたとき、「はい、小戸ですが？」と聞こえた。

あの美人さんだった。

あちゃ～…。みんな一瞬固まちゃった…。なんか馬鹿にしちゃってすみませんって感じだった。なんでだろ？美人だったからかな？あの人さぞ不愉快だろなーって思って彼女見たら、あれ！？

すっごい得意気にニンマリしてピースサインしてる…。しかも今度はなぜか客達に向かって「お子様ですが何か問題でも？」と言ってる。

みんな苦笑いで「いえいえｗ」とか「変わったお名前ですねー」って感じで必死にフォローする。でもなんか本人はまったく怒ってないみたいで、むしろ『してやったり！』みたいな顔してた。

「あのぉ～何名様でしょうか？」と僕が聞くと、

「一名様ですが何か問題でも？」と嬉しそうに言う。

ちょっと怖かった。なんか色々とギャップありすぎて。

入口付近に立ってた男子高校生グループの１人が「あいつ、おぎやはぎヤリてぇ～だけじゃんｗｗ」って言って場を和ませてたけど。

☆今日のまとめ☆

すっごいキレイな人が面白いことやろうとすると実はあまり笑えない。てかなんか引く。てかあの人何がしたかったんだろう？すっごい気になって今日は眠れない。