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「礼!久しぶり。ちょっと遊んでただけだよ」
クルクルと両手に持ったナイフを回して笑顔で礼に近寄っていく久遠。
「アホ、あんなボンボン達がお前の相手ができるはずないやろ」
困ったように彼等は礼を見ている。彼の事を知りたいのだろう。
「こんなとこおって大丈夫なんか?ウルサイのが探しとるぞ?きっと」
「う、アッシュ」
いきなり久遠が持っていたナイフが液体みたいに溶け出し一つの固まりになっていく。
先ほど久遠の隣にいた黒い犬だ。ぶるるとふるえると尻尾をぴんっと立てた。
「久遠。帰るぞ」
低い声を発した犬。礼と久遠以外は皆驚いたように口を開けている。
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