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「嘘。だってアイツ闘ってる時…色気あったし」
「お前の脳内はエロだけやな…。嘘やない、男でもないけどな」
「意味わかんなーい」
不満顔のサン。彼等も不思議そうに礼を見ている。サンと同じで意味が分かっていないのだろう。
「中性体や。第一お前一等星の位なんやから知ってて当たり前やぞ?」
礼は呆れたようにため息をついた。
「…名前は?」
「久遠と雪華(せつか)やけど…」
「久遠か」
サンは嬉しそうに笑って久遠がいた場所を見た。
礼はため息をついて先ほど久遠の相手をした彼を見ると彼は疲れきったように倒れていた。
「大丈夫か?ボン」
疲れきって声も出ないのだろう。彼はただ首をふっている。
「久遠か…」
まるで何かにとらわれたように呟いたサンはキラキラと瞳を輝かせていた。
礼は不機嫌そうにサンを見た。だが瞳の色は不安そうに揺れていた。
まるで先を示すかのように二人の瞳の色は違っていた。
ゆらゆらと相反するように。
ゆらゆらと。
ゆらゆらと。
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