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うずくまりながら腹を押さえてるサンの前に仁王立ちしている礼(れい)。
黒髪のストレートでタレ目に泣き黒子、口黒子の青年だ。サンと同い年だろうか、二十代前半に見える。眉間には深いシワを刻んでサンを睨み付けている。
「こんのど阿呆ぅ!!女を見ればホイホイ手ぇ出しよって発情期の猿か!!仕事やったら仕事せぇ!!」
「してるって、何でいきなり礼キレてんの?」
「煙草吸うな!」
ぱっと煙草を取り上げてもみ消した礼をサンは気に入らなそうに睨み付けた。
「一体何だッーんだよ?あ?」
「約束。お前…手合わせやるって約束したやろ?ボンボン達に!時間見ろや!?」
ビシッと自分の腕時計を指差した礼。サンは腕時計を見たまま固まっている。
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