363人が本棚に入れています
本棚に追加
そして翌日…飛鳥先輩は予告通りいなかった。
ぶつぶつと文句を言いながらも、響鬼は仕事をこなしていく。
「いつくるのかな…」
「さぁな」
ぴりぴりとした空気…怖いほど先輩たちは気を張っている。
「神楽先輩…」
「どうした」
春日くんは何ともいえない顔をして生徒会室に入ってきた。
「藤崎学園の人たちがきました」
「……通せ」
春日くんはうなずくとまた部屋を出て行った。
「来ちゃったね」
「仕方ないだろう?一応毎年のことだ」
「毎年のこととはいえ、さすがに彼らに会いたくはないですね」
レイナちゃんは朱鷺先輩の腕にしがみついた。
「そんなにまずい人なの?」
「会ってみればわかりますよ。あぁ聖さん…響鬼のそばにいたほうがいいですよ」
私は持っていた書類をテーブルにおくと朱鷺先輩の言葉通り響鬼のそばに寄った。
響鬼は机の影になって見えない私の手を握る。
その手はわずかに汗ばんでいた。
「お連れしました」
春日くんが入ってくる。
四人の男性がその後ろに立っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!