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「おやぁ?まだ生き残りがいたんですか?
全員殺したはずなんですけどねぇ……。
まぁいいでしょう。今楽にしてあげますよ」
不意に後ろから声がした。
ゆっくり振り向いてみると、耳は尖り、爪は長く、口には牙のようなものがはえている男が立っていた。
「お前が村の皆を……父さんや母さんを殺したのか……?」
「殺したのは魔物達であって、私は殺していませんよ?」
「魔物達?お前も魔物じゃないのか……?」
クラッドは怒りで震える手を必死に抑え、目の前の男に尋ねる。
「私達をあんなのと一緒にしないでいただきたいですね。
私達は魔族です」
「魔族?」
聞き覚えのない言葉に、クラッドは思わず聞き返してしまう。
「そうです。
魔族は魔物と違って頭はいいし、体も人間みたいでしょう?
魔物に命令もできますしね。
言ったでしょう?殺したのは私じゃないと……。
あぁでも1人殺しましたね。
中々強かったのですが私が相手をしたら一撃でしたよ。
そうそう、あなたの横で死んでいるその男です」
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