始まり

2/11
前へ
/578ページ
次へ
ここは、王都の外れにある小さな村。 村の周りは木々に囲まれており、緑が豊かで、俗に言う田舎だ。 「いってきま~す」 そんな村にある一軒の木造の家から黒髪の少年が飛び出してきた。 「暗くなる前に帰ってくるのよ~」 おそらく母親だろう。 後ろから少年に向かって呼び掛ける。 「わかってるよ~」 少年も走りながら、振り返ることなく返事を返した。 この少年の名前はクラッド・クロムウェル。10歳だ。 「今日も練習頑張ろっと」 クラッドはいつも近くの森で魔法の練習をしている。 今日もいつも通りに森へ向かっていた。 「ん~……ここら辺でやろっかな。 よし、まずは初級魔法からだ」 森に着いたクラッドが選んだ場所は、中央が広く、周囲には木々以外何もない所だった。 彼は中央まで行くと魔法の練習を始めた。  
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78742人が本棚に入れています
本棚に追加