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「今楽にしてやるからな……無幻」
俺は右手に飴玉ほどの大きさの銀色の玉を召喚する。
これこそが俺の持つ変幻自在の魔武器“無幻”。
それの形を全身銀色の双銃に変え、ドラゴンの両手脚に向けて引き金を引いた。
俺が撃った弾は見事に当たり、脚を撃たれたドラゴンは体勢を崩した。
「終わりだ……」
俺はドラゴンが倒れてくるであろう場所に移動する。
そして無幻を剣に変え、一瞬で2頭のドラゴンの首を切り落とす。
そして切り落とした首は、存在しないと言ってもいい程の大きさまで切り裂いた。
首を斬り落とした時、ドラゴンの赤黒い返り血を浴びたが、漆黒のコートだったためあまり目立たない。
でも、俺にはその血がハッキリ見えていた。
まるで、自分の犯した罪を忘れないように……。
『こちらは終わったぞ』
『こっちもだ』
『こっちも終わりました』
アビス達も戻ってきたし、帰るか。
「悪かったな。こんなことに付き合わせて」
『気にするな。ではまたな』
そう言ってアビス達は姿を消した。
「ふぅ……んじゃ最後の片付けを――」
『マスター!ご褒美ください』
「うわっ!戻ったんじゃねぇのかよ」
『まだご褒美もらってませんから』
チッ……覚えてたか……。
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