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寮へと帰ってきた俺は、とりあえず安心した。
エレナはまだ来てないようだ。
「まだ来てないみたいだな。一眠りして待っとくか……」
俺は血まみれのコートを魔法で綺麗にして片付け、寝るために寝室に向かった。
向かったんだが……。
――何故ベットにこいつが寝ている?
俺の視界には、規則的な寝息をたてて、ベットを占領しているエレナの姿が……。
とりあえず起こさなければ。
「おい、起きろエレナ」
ユサユサと肩を揺らすが、一向に起きる気配はない。
「……ぅ~ん……クラッド……」
ビビった……夢か。
俺が夢に出てるんだな……。
「おーい。エレナさーん?」
「……………」
ダメだ。起きない……。
俺はエレナの頭を叩いたり、口を塞いだりもしたが、それでも彼女は起きようとしない。
「起きないとイタズラするぞー?」
もうしてるんだけど……。
「……クラッドの……変態……」
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