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夕陽に照らされたアパート。
海斐は一人、自分の家に帰ってきた。
オフィーリスの病院で治療を受け、篤史に近くまで送ってもらって。
と、外を掃いていた、大家の中年の女性が海斐に気づき、歩み寄った。
「海斐ちゃん、一体どこ行ってたの……?部屋に行ったら窓が割れてて、和室には血……みたいなものがついてるし……」
「……すみません」
海斐の声は明らかに元気が無い。
それどころか、目も虚ろである。
大家は心配そうに、階段を上って部屋に消えた海斐の背中を見つめていた。
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